税務・経理

◆節税は正しい税制の理解から◆

所得税や法人税などは、自らが税法に従って所得と税額とを正しく計算して申告し、納税するという、申告納税制度が採用されています。
適正な申告と納税を行うには、正しい税制を理解することが大切です。このことが中小企業税制の処置を活かした節税に結びつきます。
商工会では定期的に税務相談会を開催しています。

〜中小企業税制措置の活用を〜
中小企業の自己資本の充実や近代化を図るため、税制上の特別措置が講じられています。

  • 「個人事業者のための措置」では
    所得税において基礎控除、配偶者控除、扶養控除、青色申告特別控除、小規模企業共済掛金控除等による税負担の軽減が行われます。
  • 「法人企業のための措置」では
    資本金1億円以下の中小法人税の軽減税率の適用や貸倒引当金の割増繰入れ、また、同族会社の留保金課税の留保控除制度等があります。
  • 「事業継承円滑化ための措置」では
    個人事業者の事業用宅地の評価の特例、同族会社の株式評価方法の利用により、円滑な事業継承のための措置があります。
  • 「その他の措置」では
    中小企業者の設備投資促進のための特別措置や中小企業倒産防止共済掛金、中小企業退職金共済掛金等の損金算入等があります。

おすすめします・青色申告

青色申告制度とは
一定の帳簿書類を備え付け所定の事項を記録し、その帳簿に基づいて正しい申告をする人には、所得の計算などについて有利な取扱いが受けられる制度です。青色申告のできる人は、事業所得、不動産所得、山林所得のある人です。
青色申告開始の手続
新たに青色申告をしようとする人は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。また、その年の1月16日以後新たに開業した人は、開業日から2か月以内に申請すればよいことになっています。
青色申告のための帳簿
原則として正規の簿記の原則による記帳ですが、(1)現金出納帳(2)売掛帳(3)買掛帳(4)経費帳(5)固定資産台帳の5冊からなる「簡易帳簿」によることもできます。

青色申告の主な特典

青色申告特別控除
  1. 事業所得又は不動産所得を生ずべき事業を営む青色申告者(現金主義によることを選択している者を除きます)で、これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記録している者で、貸借対照表を損失計算書とともに期限内提出の確定申告書に添付する場合には、所得金額から最高55万円を控除することができます。ただし平成17年分までの各年分については、簡易帳簿により記帳している場合であっても、所定の帳簿書類等に基づいて作成した貸借対照表を、損益計算書とともに期限内提出の確定申告書に添付する場合には、最高45万円の控除を受けることができます。
  2. 上記1以外の青色申告者は、所得金額から最高10万円を控除することができます。
青色事業専従者給与の必要経費算入
事業者と生計を一にしている配偶者や15歳以上の親族で、その事業にもっぱら従事している人に支払う給与は、必要経費になります。なお、この特典の適用を受けるには届出が必要です。
純損失の繰越しと繰戻し
事業所得などに純損失が生じたとき、翌年以降3年間に損失額を繰越して控除することもできます。また、前年も青色申告をしている場合は、損失額を前年の所得から控除し、既に納めている前年分の所得税の還付を受けることができます。

各種届出様式がほしい方はこちらの国税庁ホームページをご覧下さい。

正しい記帳は繁栄の第一歩

健全経営は経理内容の把握が必須条件です。融資を受けたい場合なども経理が明確でなければなりません。 商売で発生した収入金額や必要経費を、毎日正しく記帳し、家計費と区分するようにしましょう。 商工会では税理士等を招へいし定期的に記帳相談会を、決算期には決算相談会を開催しています。

4月〜12月までの間は記帳相談日として原則月2回、1月〜3月の決算期には決算書作成相談会・確定申告書記入相談会・消費税申告相談会を10回程度開催します。詳しくは新着情報をご覧ください。

制度化されている記帳・記録保存

青色申告でない事業所得、不動産所得及び山林所得の合計額が、定める期間内に300 万円を超える人は、記帳する必要があります。 また、事業所得等のある人で、確定申告書を提出しているなどの要件を有する人は、帳簿や書類を5年間(記帳制度適用者が記帳制度に基づいて作成した帳簿は7年間)保存する必要があります。

記帳処理は商工会のコンピュータの活用を

商工会では個人事業者の会員の皆様を対象として、記帳処理の代行をコンピュータで行っています。その日の売上げや仕入を所定の用紙に記入するだけで、各種の帳票や豊富なデータをお届けします。もちろん、データは責任をもって管理、秘密保持も万全です。 また、自主記帳されている人にも、記帳から決算まで一貫した継続指導を行っています。
おもな費用科目の分類
<販売及び一般管理費>
科目 科目の説明
租税公課 (1)消費税、地方消費税、事業税、固定資産税、自動車税や印紙代などの税金
(2)商工会議所、商工会、協同組合、同業者組合、商店会などの会費、組合費または賦課金など。
(注)所得税、相続税、住民税、国税の延滞金、加算税、地方税の延滞金、加算金、罰金、科料、過料などは、必要経費にはなりません。
荷造運賃 販売商品の荷造りに要した材料費や人夫賃、発送運賃など。
水道光熱費 業務用として消費した水道料、電灯料、ガス代、石油代など。
旅費交通費 販売や集金などの商用のためにかかった電車賃、バス代、車代、宿泊費などの費用
通信費 業務用として使用した電話の料金や切手代などの費用
公告宣伝費 (1)テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などの広告費用など。
(2)店名入りマッチ、タオルなどの購入費用や福引券の費用など。
(注)開業に当って特別の広告宣伝費用などは、繰越資産となり、原則として、その年中の期間に対応する償却費だけが必要経費となります。
接待交際費 業務上必要な得意先などの接待費用や得意先に対する中元歳暮などの贈答品の購入費用など。
(通常必要と認められる金額に限られます。)
損害保険料 (1)商品などのたな卸資産や業務用の減価消却資産に対する火災保険料、火災共済などの掛金
(2)業務用自動車保険など。
修繕費 業務用の建物、機械、器具、車両、工具などの修繕のための費用
(注)資産の価額を増やしたり、使用可能期間を延長したりするような支出は、資本的支出として減価償却資産の朱徳価額に含めることになります。しかし、資本的支出であっても、一定の金額については必要経費とすることもできます。
消耗品費 包装材料、事務用品、自動車のガソリンなどの購入費用
なお、工具、器具、備品のうち、使用可能期間が1年未満のものや取得価額が10万円
(平成10年12月31日以降に取得したものは20万円)未満のものでもその年中に使用したものの購入費用もこの科目に含めて差支えありません。
(注)10万円又は20万円の判定は税務経理方式のときは税込み金額で、税抜経理方式のときは税抜金額で判定します。
支払手数料 商品などを販売するために支払った販売手数料など。
なお、商品などのたな卸資産を購入するために支払った購入手数料は仕入れの科目に含まれ、固定資産を取得するために支払った購入手数料は固定資産の取得価額に含まれます。
外注工賃 原材料などを支給して、これに加工などをしてもらうために支払う加工賃など。
福利厚生費 (1)従業員の慰安、保健、修養などのために支払う費用
(2)事業主が負担すべき従業員の健康保険、労災保険などの保険料
(3)事業主が従業員のために負担する中小企業退職金共済事業団など特定の団体が行う退職金共済契約に基づいて支払う掛金など。
給料賃金 使用人に支払う給料や賃金などの費用のほか、食事や被服などの現物で支給した場合の費用
専従者給与 事業を営んでいる青色申告者と生計を一にする配偶者やその他の親族(15歳以上)で、専らその事業に従事している人に給与を支払っている場合には、専従者の労務として適正な金額であれば(税務署長に届出た人及び金額)、その支払った金額を必要経費とすることができます。
利子割引料 事業用賃金の借入金利子や資産の割賦買入による支払利子、受取手形の割引料など。
地代家賃 店舗、工場、倉庫、車庫、材料置場等の敷地の地代や、店舗、工場、倉庫等の建物を借りている場合の家賃です。
(注)土地や建物以外の機械などを賃借している場合に支払う賃借料は「機械賃借料」というような科目を設けて記入します。
貸倒金 取引先や貸付先などの資力そう失のため回収不能となった場合の売掛金、未収入金、受取手形、貸付金、前渡金など事業の遂行上生じた債務の貸倒れによる損失
なお、貸倒れとまではいかなくても、一定の条件にあてはまる不良債権や事業の遂行上生じた保証債務の履行による損失がある場合は、一定の金額が必要経費になる場合があります。
雑費 他の経費科目にあたらない経費ですが、たとえば、商用の新聞や雑誌を数種類購入している場合のように、同じ経費が相当回発生するようなときは「新聞雑誌購入費」というように、なるべく特定の科目を設けます。
一般的な必要経費の一覧・参考ページ
新発田商工会議所
日向商工会議所